研究概要 |
有害物質の発生する作業場で,局所排気装置が有効利用されてない事例が見られる。作業内容に応じて作業者本人が排気装置の位置や角度を変えにくいために,作業の柔軟さや効率に支障をきたすか,もしくは作業の進行に伴って汚染物が有効に除去されていない場合も少なくない。ところが,局所排気装置の吸引フードの可動式にしても,気中物質を有効に排気するように吸引フードの位置を適切に決定することは難しい。そこで本研究では,作業の実態に応じて自主的に排気効果を監視でき,吸引フードの位置を決定していけるようなシステムの開発,適用を検討している。本年度は,現場自主対応型の局所排気効果監視システムとして,作業者に装着する小型軽量の個人曝露計および,入力電圧に応じて警告する装置を製作している。また,国内外の関連する研究文献を調査している。今後は,現場適用のための試験実験として,粉じん発生源のある作業台上に作業者が容易に位置や向きを操作できる吸引フードを設備し,排気フード可動範囲を制限した上で作業者が曝露濃度警告器の動作に従いフードを動かす,自主対応型局所排気効果監視システムを試用するとともに,現場において適用試験を行い,本システムの有効性を検証する計画である。
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