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1997 年度 実績報告書

ニューキノロン系薬剤耐性結核菌の遺伝子変異の検出と迅速検出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09770293
研究機関大阪府立公衆衛生研究所

研究代表者

田丸 亜貴  大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 研究員 (70270767)

キーワード結核菌 / ニューキノロン系薬剤 / オフロキサシン / DNA gyraseA
研究概要

1.本研究ではニューキノロン系薬剤としてオフロキサシン(OFLX)を用いた。結核菌標準株H37Ra、H37RvのOFLX感受性試験を7H10斜面培地を用いた培養法により行ったところ、MICは1.0μg/ml以下であった。南岡山病院から分与されたOFLX耐性結核菌20株のMICは全て4.0μg/ml以上であった。これらのことから、OFLXに対するMICが1.0μg/ml以下のものを感受性株、1.0μg/mlより大きいものを耐性株として以後の実験に用いた。
2.大阪府下で収集した臨床分離株のRFP、INH、SM、EB、KM、CPM、TH、CS、EVM、PASの10薬剤に対する感受性試験を行った。そのうち10剤全てに感受性であった12株、およびRFP、INH、SMに対して完全耐性であった8株、計20株のOFLX感受性試験を行ったところ、MICは0.5〜1.0μg/mlで、抗結核薬感受性パターンに関わらず、OFLX耐性はみられなかった。今後、供試菌株数、及び収集地域を増やし、OFLX耐性結核菌の分布を調べる予定である。
3.OFLX耐性株6株と同薬剤に感受性である結核菌標準株H37Ra、H37RvからDNA gyrase遺伝子をクローニングし、両者の遺伝子配列を比較したところ、3箇所(コドン91、94、95)に5種類(Ser-91→Pro、Asp-94→Val、Asp-94→Gly、Asp-94→Asn、Ser-95→Thr)の変異が見られた。OFLX感受性株6株のDNA gyraseAについても遺伝子配列を調べたところ、1箇所(コドン95)に1種類(Ser-95→Thr)の変異が見られた。この変異はOFLX耐性に関与しない変異であり、コドン91、94にみられた変異がOFLX耐性に伴う変異であると考えられた。今後、供試菌株数を増やしOFLX耐性に伴う他の部位での変異の有無やDNA gyraseB遺伝子の変異の有無を調査する予定である。また、それらの変異を迅速に検出する方法についても検討する予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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