• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

積雪寒冷地での凍死の診断に関する法医学的研究-外気温氷点下での免疫組織学的及び病態生理学的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 09770294
研究機関旭川医科大学

研究代表者

福島 亨  旭川医科大学, 医学部, 助手 (30199210)

キーワード凍死 / 死体温降下速度 / 熱ショック蛋白 / 心室血液色調差 / Wischnewski斑 / 矛盾脱衣
研究概要

平成2年1月1日から平成10年4月30日までの凍死例、116例について以下の研究を行った。1. 外気温氷点下での死体温降下速度
80例のうち、死後経過時間が比較的明らかな36例について降下速度を検討した。死後1〜3時間で発見された死体では、直腸温は31℃〜35.7℃の範囲にあり、死後4時間目より急速に22℃ほどに降下していた。外気温が6℃〜-9℃までは1時間当り2.4℃、-10℃以下では1時間当り3.0℃の降下速度であった。
2. 凍死の剖検例で各臓器の熱ショック蛋白(Ubiquitin蛋白)の出現についての研究
凍死例11例について免疫染色法にてユビキニン蛋白の出現をみたところ、肝臓、腎臓、肺、膵臓の細胞質及び核内に認められた。脾臓、脳にはほとんど認められなかった。この事実は、細胞が寒冷刺激によってストレスを受けていることを意味している。
3. 心臓の左右心室血の色調差についての研究
凍死の剖検例33例中30例、90.9%に色調差を認めた。肉眼的な色の差を客観的に表現する目的で、左右心房内血液をオキシメーターにかけ、オキシヘモグロビン比率(O_2Hb)、還元ヘモグロビン比率(RHb)、酸素飽和度(_s0_2)について検討し、凍死群では0_2Hb、_s0_2,の左心房血の値が80%を超えていた。
4. 胃・十二指腸粘膜下の出血(Wischnewski斑)の有無について
凍死の剖検例33例中12例、36.4%に出血が認められた。
5. 矛盾脱衣(Paradoxical undressing)についての研究
凍死の検屍例57例(男36例、女21例)中、男13例(36.1%)、女3例(14.2%)に矛盾脱衣が認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 清水 恵子: "Paradoxical Undressing in Fatal Hypothermia." 日本犯罪学雑誌. 62(5). 151-155 (1996)

  • [文献書誌] 清水 恵子: "凍死の診断-凍死における左右心室血の色調差及びWischnewski斑について-" 日本犯罪学雑誌. 62(6). 157-160 (1996)

  • [文献書誌] Keiko Shimizu: "Expression of Ubiquitin protein in each organ at death from hypothermia." Forensic Science International. 86(1). 61-68 (1997)

  • [文献書誌] 清水 恵子: "凍死の法医学的診断へのCO-オキシメーターの応用" 日本法医学雑誌. 52(3). 196-201 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi