研究概要 |
サイト力インレセプター(IL-6,IL-11,CNTFR,LIFなど)に共通に見られるgp130分子は、サイトカイン刺激により、YXXQ及びYXXVモチーフのチロシン残基がリン酸化され、STAT3およびPTPIDが各々結合することが知られている。Nefタンパクにも共通のモチーフがあることが知られている。私は、GST-Nefフェージョンタンパクが、eph群のチロシンキナーゼで、大腸菌TB-1により、リン酸化されることを見出した。そこで、eph群のチロシンキナーゼをCos7細胞にnef遺伝子とともに導入し、リガ一ドを加えるもNefタンパクのチロシンリン酸化は確認されなかった。そこで新たに、リン酸化されたGST-Nefを用い gt IIで作られたヒト骨髄のcDNAライブラリーの発現クローニングを現在行っている。今すでにクローニングされてきたものは、Hckなと、既知のチロシンキナーゼで、新規のNefタンパクとの結合が分かっていないものは、今のところ、このスクリーニング方ではとれてきていない。Nefのリン酸化によってSTAT3の活性化が起こるがどうがをゲルシフトアッセーにて確認したが、Nefのリン酸化がin vivo,つまりCos7細胞の中で起こらなかったため確認されなかった。またPTP-IDがNefのリン酸化に伴い活性化されるがどうかを確認する実験もNefの明確なリン酸化がCos7細胞内で認められなかったため行わなかった。
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