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1998 年度 実績報告書

膠原病患者におけるT細胞レセプターの複数自己抗原認識機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09770318
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

大久保 光夫  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40260781)

キーワードT細胞 / エピトープ / T細胞レセプター
研究概要

一般にひとつの抗原分子上には複数のT細胞抗原決定基(エピトープ)が存在する。たとえばRNPA上には患者間で共通な2個のT細胞エピトープが存在している。さらにT細胞の認識するエピトープは病勢と病期が進行するにしたがって拡散して行く傾向がある。このことは、ひとつのT細胞が複数の自己抗原上のエピトープを認識する可能性があることを示している。そこで自己反応性T細胞が複数の自己抗原エピトープを認識するかどうかを明らかにするために、全身性エリテマトーデスと混合性結合組織病患者と慢性関節リウマチ患者のT細胞においてRNPAあるいはB"またカテプシンD抗原あるいはサイトメガウイルス抗原刺激に対して増殖反応を示すT細胞のT細胞レセプター(TCR)を決定し、そのTCRと複数の自己抗原ペプチドとの親和性についての解析を行った。RNPAとRNPB"の合成アミノ酸で患者末梢血単核球をin vitroで刺激し、TCTR解析した結果、RNPB"エピトープ類似ペプチドで2回刺激するとPLGTGA,LSGGELF,LAGPGSなどRNPAエピトープペプチド刺激時と共通した配列をもつTCRが検出された。また、慢性関節リウマチ患者T細胞においても同様に自己抗原のカテプシンDと類似の配列を持つウイルス由来のアミノ酸配列に対しても親和性を有していた。これは抗原分子群の中でひとつのエピトープとhomologyをもつ他のエピトープ類似部位はもとの抗原アナログとなって、ひとつのTCRに認識され、自己抗原反応性T細胞のanergy成立を妨げることにより抗体産生の持続性に関与している可能生があると考えられた。この結果は、本来であれば自己の抗原に対してトレランスな状態にあるT細胞が、自己抗原を認識しはじめて、次第にいくつかのエピトープを形成して行くという自己免疫反応を理解する手がかりになる可能性があり、意義のあることと思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 大久保光夫: "混合性結合組織病の発症機序と診断および治療" 現代医療. 31. 115-119 (1999)

  • [文献書誌] 大久保光夫.鈴木修三: "リウマチの呼吸器病変" Medical Practice. 15. 2048-2050 (1998)

  • [文献書誌] 大久保光夫.西間木友衛: "ペプチドによる免疫寛容導入" 最新医学. 53. 276-283 (1998)

  • [文献書誌] M.Okubo M.Brown: "Detection TNFα and fas ligand mRNA within synerial mononucleor cells by fluorescence in-cell labeling PCR(FICL-PCR)" Molecular Biology Reports. 25. 217-224 (1998)

  • [文献書誌] M.Kokubun,A.Kume,M.Urabe,H.Mano,M.okubo et al: "Apoptosis mediated regulation of necombinant human granulocyte colony-stimulating fuctor production by genetically engineered fibroblasts" Gene Therapy. 5. 923-929 (1998)

  • [文献書誌] M.Tanaka,S.Ozaki,F.Osakada,K.Mori,M.Okubo et al: "Cloning of folistatin-related prctein asa norel autoantigen in systemic rheumatic diseases" International Immunology. 10. 1305-1314 (1998)

  • [文献書誌] 大久保光夫(分担): "疾患別最新処方改訂第3版,混合性結合組織病" 矢崎義雄,戸田剛太郎:メジカルビコー社.東京, 961 (1998)

  • [文献書誌] 大久保光夫: "検査の診断効率とピットフォール" 中井利昭:中外医学社.東京, 419 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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