シェ-グレン症候群(以下SjS)は乾燥性角結膜炎、慢性唾液腺炎を主徴とする原因不明の自己免疫疾患で、近年SjSの腺障害の機序に細胞障害顆粒を介したApoptosisの関与が注目されている。これまで私達は細胞障害顆粒の1つであるTIA-1のモノクロナール抗体を用い、CD4陽性T細胞中におけるTIA-1の発現増加を示し、SjSの腺破壊に細胞障害顆粒が関与している事を報告してきた。平成9年度には他の細胞障害顆粒について組織における細胞障害顆粒の発現の検討を加えた。 方法;1.正常人コントロールとSjS患者唾液腺の凍結切片標本を作成し、固定後、洗い 2.間接蛍光抗体法にて染色;一次抗体としてPerforin、TIA-1、GranzymeB、Apo2.7反応させ二次抗体としてanti-mouselgG-FITC標識反応させ、CD4、8、16、56PE標識各々モノクロナール抗体を反応させた後包埋 3.ACASにて解析(Double Staning) 結果:1.Preforin、TIA-1、GranzymeB、Apo2.7は正常人に比べSjS患者の唾液腺組織に強く染まった(p<0.0001) 2.細胞障害顆粒の発現はSjSのApoptosisを認める腺上皮細胞の周りに認められた。 CD8陽性T細胞は腺上皮細胞の周りに認められ、これらの細胞障害顆粒の放出に関与していると考えられた。
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