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1997 年度 実績報告書

膵臓癌の癌化初期における遺伝子異常と浸潤転移機構のシグナル伝達系の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770342
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 賢一  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282055)

キーワード膵臓癌 / 癌化 / 浸潤転移
研究概要

1) Comparative Genomic Hybridization (CGH)法による染色体異常の検討:現在まで、膵疾患を疑いERCPを施行した30例において膵液を採取し、細胞診を行うとともに、DNA抽出を行い、CGH法の準備段階にある。
2) TGF-β1の膵癌における役割の検討:現在まで、手術によって得られた膵癌組織21例と慢性膵炎13例、組織学的に正常であった膵組織5例のパラフィン包埋組織においてTGF-β1とそのI型レセプター、II型レセプターの発現を、それぞれ、ポリクローナル抗体を用いて免疫染色にて検索し、比較検討した。その結果、正常膵組織では、膵管上皮でTGF-β1とレセプターの発現を認めたが、間質細胞では認めなかった。膵癌の癌細胞と慢性膵炎の膵管上皮細胞においては、TGF-β1とレセプターの免疫染色陽性細胞数は同程度に認められ、全て同時に発現を認めた例もそれぞれ81.8%と76.2%と同程度であった.間質細胞におけるTGF-β1型レセプター発現は膵癌において、慢性膵炎に比し高い発現傾向が認められ、特にII型レセプターの間質発現は膵癌において有意に高かった(p<0.05)。間質におけるTGF-β1とレセプターの同時発現例は。膵癌で57.1%と慢性膵炎で40%であった。この実験結果から、TGF-β1とそのレセプターの膵癌間質での高頻度の発現は、癌間質反応による線維化(desmoplasia)と炎症による線維化の相違を反映している可能性が示唆された。このように、TGF-β1とそのレセプターが膵癌間質において強く発現していることを明らかにしたが、TGF-β1によって抑制されている可能性のあるMnSODについては、現在同一症例において免疫染色にて蛋白の発現とRT-PCRによってmRNAの発現を検索中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Satoh,K et al: "Expression of Transforming Growth Factor β1 (TGFβ1) and Its Receptors in Pancreatic Duct Cell Caxcinama …" Pancreas. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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