本研究者によって樹立されたラット正常胃粘膜由来培養細胞RGM1の活性酸素による傷害をMTT法、NR法細胞毒性試験によって検討した。一方、傷害に伴う細胞の自家蛍光量の変化を倒立顕微鏡・高感度カメラ・画像処理装置によって構成されたシステムによって測定した。この結果、細胞傷害と自家蛍光との間には正の相関関係があり、蛍光量の定量が細胞傷害の測定に有用であることが示された。この結果はJournal of Gastroenterology誌上に発表予定である(印刷中)。これは無侵襲に蛍光観察するだけで細胞傷害度が判断できる新しい細胞毒性試験法の確立を示唆するものである. また急性胃炎の重要な因子とされる非ステロイド性鎮痛解熱剤(NSAIDs)の服用と胃粘膜蛍光について、ラット実験モデルによる検討から、傷害された胃粘膜には特徴的な蛍光物質の出現を認めることを明らかにした。この結果はThe Journal of Japan Society for Laser Medicine誌上に発表予定である(印刷中)。
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