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1998 年度 実績報告書

膵液中トリプシンの活性化とその膵管内および血中の動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09770353
研究機関名古屋大学

研究代表者

中江 康之  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (50273199)

キーワードα2-macroglobulin-trypsin複合体 / トリプシン活性 / 膵分泌性トリプシンインヒビター / 急性膵炎 / 膵石症
研究概要

【目的】前年度の研究において、急性膵炎や膵石症における血中α2-macroglobulin-trypsin複合体様物質(MTLS)測定の病態解析に対する有用性を示した。本年度は引き続きMTLS高値例におけるトリプシン残存活性と血中MTLS濃度の関係について検討した。
【方法】(1)血中MTLS濃度およびトリプシン活性の測定:血中MTLS濃度力塙値を示した急性膵炎18例および膵石症26例の血中残存トリプシン活性を、Boc-Gln-Ala-Arg-MCAを基質として測定した。(2)膵石症における血中MTLS存在様式の検討:血中MTLS高値膵石症患者血漿をSDS-PAGEで泳動し、膵分泌型トリプシンインヒビター(PSTI)に対するWestern blot法による解析を行った。(3)PSTIによるMm.Sトリプシン活性阻害の検討:ヒト純粋膵液より精製したトリプシンとα2-macroglobulinを混和しα2-macroglobulin-trypsin複合体(α2M-T)を作成後、PSTIによるMTLS活性阻害を検討した。
【結果】(1)血中MTLSの酵素活性は、急性膵炎17.0±30.lng/ml、膵石症2.5±3.8ng/ml、健常人1.2±1.3ng/mlであり、急性膵炎では活性の上昇を認めたが、膵石症では認められなかった。(2)膵石症血漿のWcstcmbIot法による解析ではpsn単体あるいはPSTI-トリプシン複合体よりも高分子側に抗PSTI抗体陽性のバンドを認めた。(3)PSTIによりα2M-TのMTLS活性は約50%阻害された。
【結論】残存トリプシン活性は血中MTLS濃度と同様に急性膵炎では重症度を反映していたが、膵石症ではMTLS濃度が高値にも関わらずトリプシン活性を認めなかった。この活性阻害は膵液中のPSTIによると考えられたが、他の阻害物質の関与も示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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