原発性胆汁性肝硬変(PBC)で特徴的に出現する抗ミトコンコンドリア抗体の対応抗原であるpyruvate dehydrogenase(PDH)の細胞性免疫応答における重要性を検討した。 PDH-E2 componentのcDNAはsequencedataよりprimerを作成し、PCRによりヒト肝臓より作成し、pREP4にクローニングした。EB virus transformed B cellは患者PBMCをcyclosporin存在下にEB virus産生B95-8とともに培養し3週間培養して作成した。 pREP4-PDHE2はelectroporationによりEB virus transformed B cellに導入しhygromycinにてselectionを行った。mRNA、タンパク発現はdotblot、immunoprecipitationにてそれぞれ確認した。 抗PDH抗体産生B細胞をクローニングすることで、抗原としてのPDH uptakeが効率よく行われると考えられる。PDH-E2cDNA導入EB virus transformed B cell(EBtr-E2)を培養後、上清中の抗PDH抗体を測定したが、クローニング前では抗体産生がほとんど認められず、現在抗体産生B細胞のenrichを試みている。 EBtr-E2はさらに、57Cr release assayの標的細胞として用いて、患者PBMCのkilling activityを検討している。preliminary実験の結果では、コントロールと比較して患者PBMCのkilling activityは高いが、EBVタンパクに対する反応を除外する必要がある。また、PBMCをIL-2存在下にPDHと培養後ではkiller activityが増強するが、同様に抗原特異性とclass I拘束性については検討中である。
|