研究概要 |
既に,活性化星細胞に発現する90KDa蛋白を見出し,それを認するモノクローナル抗体を得た.本モノクローナル抗体産生hybridoma株をマウス腹腔内に移植して高濃度の抗体を産生させることに成功したので、本抗体をカップリングさせた抗体カラムを作製し,星細胞蛋白を反応させて,抗原を精製した,その結果,約10mgの星細胞粗抽出液から約18μgの抗原が精製された.本90KDa抗原100μgを精製し,アミノ酸シークエンスを行なったところ,残念ながらN末がブロックされていることが判明した.今後,本抗原を約1mg精製し,トリプシン消化して高速液体クロマトグラフィーでペプチド断端を集め,そのアミノ酸シクエンスを行なう. シークエンスされた場合には相補的なオリゴぬうクレオチドを作製し,これをプローブとして星細胞由来cDNAライブラリーをスクリーニングし,90KDa蛋白に対するcDNAをクローニングする.さらに,サイクルシークエンス法を用いてDNAシークエンスを行ない,ホモロジー検索をおこなう.未知蛋白である場合はその機能解析を,ホモロジーの高い蛋白があった場合はその星細胞での役割について生化学的に解析する.これらの蛋白と遺伝子の肝臓内における局所と発現を,病態との関連に注目しながら,四塩化炭素やD-ガラクトサミンを用いた肝障害モデルを用いて解析すると同時に他臓器における発現についても検討中である.
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