研究概要 |
1.血清可溶性HLA(sHLA)-class I抗原分子単離法の検討;血清サンプル(HLA-B7陽性)を30-65%硫安にて沈澱濃縮した後に、Sephadex G-25カラムにより、脱塩ーBuffer置換した。同サンプルをHLA-Class I抗体(w6/32)-affinity columnに添加した後、塩基条件(Glycine-HCL,pHl1.0)にてsHLAを単離した.続いて、BB7.1(抗HLA-B7抗体)-columnを用いて、sHLA-B7抗原の分離に成功した。ただし、その効率はELISAにて測定したところで約1%と低く、特にBB7.1抗原との低結合効率が問題点として挙げられた. 2.sHLA-class II(DR)抗原分子単離法の検討;血清サンプルより、抗HLA-DR抗体(DA6.231)を用いて、1.に準じた方法にてsHLA-DR単離を試みた.最終抽出蛋白をSDS-PAGE後に、抗HLA-DR抗体にて免疫染色したところ複数バンドが出現し、特にHLAーDRに担当する部分(55kDa付近;dimer及び30kDa付近;monomer)についてアミノ酸シークエンスを試みた.結果は、前者がヒトアルブミン、後者がマウスIg-light chainであり、目的の結果は得られなかった. 3.以上到達点を踏まえ次年度は、より効果的なaffinity法の改良(モノクロ抗体の変更等)及び抗アルブミン抗体、抗マウスIg抗体を通す等によりサンプル中への粗雑蛋白のcontaminationを無くす事により、sHLA抗原のより確実な分離法を確立する.その上で、これに結合しているアミノ酸の配列決定に進んでいく予定である.
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