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1997 年度 実績報告書

ウルソデオキシコール酸は原発性胆汁性肝硬変症肝のアポトーシスを抑制しうるか

研究課題

研究課題/領域番号 09770399
研究機関久留米大学

研究代表者

古賀 浩徳  久留米大学, 医学部, 助手 (90268855)

キーワード原発性胆汁性肝硬変 / アポトーシス / Bcl-2 / ウルソデオキシコール酸 / DNA断片化 / PBC
研究概要

原発性胆汁性肝硬変(PBC)の病態にアポトーシス(apotosis)がいかに関与しているかについては明らかではない。この研究では、PBCの胆管上皮細胞および肝細胞において、アポトーシスの一つのマーカーである核内DNA断片化とアポトーシス抑制蛋白であるBcl-2の発現を検討した。さらに、それらの細胞における核内DNA断片化とBcl-2の発現に対するウルソデオキシコール酸(UDCA)の効果についても検討した。35例のPBC肝、対照として16例の正常肝、17例のC型慢性肝炎肝を材料とし、核内DNA断片化の検出にはin situ nick-end labelingを、Bcl-2の評価には免疫組織化学を用いた。胆管上皮細胞のDNA断片化は、正常肝、C型慢性肝炎肝に比べPBC肝で有意に多く認められた(ともにp<0.05)。肝細胞のDNA断片化は、正常肝に比べPBC肝で有意に多く認められた(p<0.01)。Bcl-2は、胆管上皮細胞おいて、正常肝、C型慢性肝炎肝に比べPBC肝で有意に多く発現していた(それぞれp<0.05、p<0.01)。また肝細胞におけるBcl-2の発現も、いずれの対照群よりPBC肝に有意に多く認められた(ともにp<0.01)。UDCAは、胆管上皮細胞において、DNA断片化およびBcl-2陽性率を有意に減少させたが(それぞれp<0.05、p<0.01)、肝細胞においては有意な減少は認められなかった。PBCの肝胆管上皮細胞および肝細胞において、核内DNA断片化とBcl-2表出がともに多く認められたことで、PBCの病態へのアポトーシスの関与が示唆された。PBCの病態改善をもたらすUDCAの作用機序の一つとして、PBCの胆管上皮細胞の核内DNA断片化を軽減させることが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hironori Koga: "Nuclear DNA Fragmentation and Expression of Bcl-2 in Primary Biliary Cirrhosis" Hepatology. 25,5. 1077-1084 (1997)

  • [文献書誌] 古賀浩徳: "原発性胆汁性肝硬変患者の胆管上皮細胞および肝細胞における核内DNA断片化とBcl-2蛋白表出" 薬理と治療. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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