研究概要 |
1. 好中球自体に対するLeukotoxin(Lx)の効果 1) Lx 10^<-7>〜10^<-6>Mで、Boyden法の変法による好中球Chemotaxisの有意な上昇を認め、これはLx10^<-9>Mより濃度依存性に上昇した。 2) Lx10^<-5>M以上の濃度では、好中球自体が傷害された。これはcell lysisによる細胞死が主体であった(apoptosisの誘導は明らかでなかった)。 3) Lxの刺激により、好中球からのhydrogen peroxide(H_2O_2)生成の増強は認めなかった(FACSを用いたDCFH-DA法)。 4) 好中球自体の接着分子(Mac-1)発現に対し、Lxは影響しなかった。 2. 好中球products(Lx,H_2O_2)の肺動脈内皮細胞(HPAEC)に対する効果 1) Lx10^<-5>〜10^<-4>Mの刺激にてHPAECからのsuperoxide anion生成が濃度依存性に認められた。一方、H_2O_210^<-5>〜2x10^<-4>Mの刺激でも同程度のsuperoxide anion生成が認められた。いずれもxanthine oxidase系を介していた(allopurinolによる抑制)。 2) Lx3x10^<-5>M以上ではHPAECの傷害を起こしたが、主体はnecrosisであった。 3. まとめ Lxは好中球自体に対しChemotaxisの上昇は認め、それ以外の効果としては高濃度における細胞死を招いたが、H_2O_2と異なりprogramed death(apoptosis)への関与は証明されなかった。
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