夏型過敏性肺炎の主な原因抗原はTrichosporon asahiiとT.mucoidesであるが、このうちT.asahiiについては、T.asahii特異的多糖体抗原がT.asahiiの培養上清の粗抽出抗原の高分子量画分に存在し、T.asahii特異的単クローン抗体を用いたアフィニテイークロマトグラフィーによって精製が可能で、その大まかな構造はglucuronoxylomannannで、1-3結合のmannnanにmannose、xylose、glucuronic acidが数個の長さの側鎖として結合していることが判明しているT.mucoidesについて、その培養上清の粗抽出抗原をゲルろ過して得られた高分子量画分を酸加水分解し、その構成糖もT.asahiiと同様にmannose、xylose、glucuronic acidであることが判明した。T.mucoides特異的抗原について、T.asahiiと同様の方法でT.mucoides特異的抗原を精製するため、T.mucoides特異的単クローン抗体(11-7)を作成した。しかし、この抗体は特異性が当初判定したよりも高くないことと、抗体産生ハイブリドーマの抗体産生能が不安定で、継代を重ねると抗体を産生しなくなることが多いことから、再度単クローン抗体を作成する必要が生じた。 現在、単クローン抗体作成の準備のため、T.mucoidesの培養濾液抗原のゲルろ過を行っている。
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