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1997 年度 実績報告書

運動ニューロンの系統変性過程の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770453
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

伊東 大介  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80286450)

キーワード運動ニューロン / 軸策切断 / アポトーシス / アストログリア / ミクログリア / 再生 / 変性
研究概要

新生ラットの顔面神経を末梢にて切断、1週間後に免疫学的に観察したところ顔面神経核運動ニューロンの著明な変性が観察された.また、若齢ラットの顔面神経切断では、切断後28週において運動ニューロンの変性は観察されず,再生過程が観察された.さらに、抗GFAP抗体、イソレクチンB4にて、免疫組織を施行したところ、著明なアストログリアの活性化とミクログリアの増殖、活性化が観察された.以上より、新生ラットでの軸策切断では、運動ニューロンの著明な変性が、若齢ラットでは、運動ニューロンの再生過程とグリア細胞の活性化が観察されることを確認した.
次に、発現レベルの解析を行うため、軸策切断により運動ニューロンの変性、再生を誘導した後、顔面神経核をpunch outし、RNAを精製し経時的なcDNA poolを作成した.RNA精製の際、超遠心機を必要とした.神経細胞死に関係すると考えられているアポトーシス関連因子であるBcl-2、Bcl-x、Bax、Nedd-2の発現をRT-PCR法にて解析した.運動ニューロンの変性、再生過程のいずれにおいてもBcl-2ファミリー、ICEファミリーともに有意な発現量の変化は認められなかった.したがって、軸策切断により運動ニューロンの変性、再生においては、アポトーシス関連因子の発現量の変化より、転写、翻訳後の調節が重要と考えられる.今後は、Bcl-2ファミリーの燐酸化、ICEファミリーの活性化の検索を進めていきたい.また、今回作成したcDNA poolを用いて、運動ニューロンの変性時に発現する新規遺伝子の同定を進めていきたい.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ito D: "Dynamic observation of cultured vascular endothelium under Video-Enhanced Microscopy(VEC)." Microcirculation annual. 9. 159-160 (1993)

  • [文献書誌] Ohasawa K.: "Molecular Cloning and Characterization of Annexin V-Binding proteir with highly Hydrophilic Peptide Structure" J.Neurochemistry. 67. 89-97 (1995)

  • [文献書誌] Imai Y.: "A novel gene Zbal in the Major Histocompatibility Complex ClassIII region encoding an EF hand protein expressed in monocytic lineage" B.B.R.C. 224. 855-862 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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