発達期の齧歯類の大脳皮質体性感覚野においてヒゲからの入力を受ける領域に見られる脳地図(Whisker Barrel)の内部で発現抑制され隔壁に発現が見られるNeuroglycanC(NGC)を強制発現させたTransgenic Mouseを作製する目的で以下の実験を行った。 まず、神経系に特異的に発現していることが知られているNeuron Specific Enolase、Necdinの二種類の分子の発現調節領にNGCおよび、ポリA付加シグナルを結合させたトランスジェニックマウス用のベクターを作製した。次に発現効率等の確認のためβ-ガラクトシダーゼの遺伝子をこれらの発現調節領につなぎ神経細胞由来株化細胞であるNeuro2a、NCB-20、マウス神経細胞の初代培養細胞に導入した。その結果、Necdinのプロモーターを用いた場合のみプロモタ-活性が確認できた。そこで、Necdinのプロモーターを用いたトランスジェニックベクターをマウス受精卵にインジェクションしトランスジェニックマウスを作製した。64匹のF1マウスを得た、それぞれの個体から染色体遺伝子を単離しサザンブロット解析を行った。その結果24匹の個体に遺伝子が挿入されていることを確認した。また、同時に行ったβ-ガラクトシダーゼの遺伝子を導入したトランスジェニックマウスも54匹中16匹に遺伝子挿入が確認出来た。 現在そのマウスを繁殖させ今後の解析に備えている。またさらにNeurofilament Light chainのプロモーターを用いてNGCを強制発現させるトランスジェニックマウスも作成中である。
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