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1998 年度 実績報告書

食塩感受性高血圧におけるアルギナーゼの役割

研究課題

研究課題/領域番号 09770485
研究機関神戸大学

研究代表者

辻野 健  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283887)

キーワードアルギナーゼ / 腎臓 / 高血圧 / 食塩感受性 / 尿濃縮力 / 近位尿細管 / 尿素
研究概要

Dahl-S(DS)ラット(食塩負荷により血圧が上昇する)とDahl-R(DR)ラット(食塩負荷により血圧が上昇しない )を比較するとDSラットにおいて腎アルギナーゼ(AR)活性が低下していること、それは食塩負荷の影響や血圧の影響を受けないことを前年度報告した。我々は更にウエスタン法とノーザシ法を用いそれがアルギナーゼIIの蛋白量とmRNAの低下によることを明らかにした。アルギナーゼはアルギニシを尿素とオルニチンに分解するが、尿素はNa-K-2Clcotransporterを抑制し、SHR-SPラットやL-NAME高血圧ラットにおいて降圧効果があることが知られている。また尿素は尿の濃縮に必要な浸透圧物質であるが、DSラットはDRラットに比べて希釈尿を排泄している。我々はDSラットにおいて、食塩負荷と同時に尿素を6週間投与した。すると尿素補充により血圧が低下し、尿量が減少し、尿浸透圧が上昇した(4%食塩食群vs4%食塩+5%尿素食群;血圧151.0±4.6vs123.6±2.2mmHg;尿量33.5±2.7vs28.1±4.9ml/day;尿濃透圧465.O±29.7vs658.9±64.6mOsm/kgH_2O)。この結果より、DSラットにおいて腎アルギナーゼの低下は高血圧の発症と尿濃縮力の低下に奇与している可能性が示唆された。
我々は今後腎アルギナーゼの生理的役割を更に明らかにするため、アルギナーゼをアデノウイルスベクターによ-って腎近位尿細管で強制発現させ、DSラットにおいて、高血圧の発症と尿濃縮力の低下を改善するかどうかを検討する予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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