研究概要 |
(1)圧負荷肥大心におけるtriadinの変化:Rabbitにおける圧負荷肥大心モデル作成の技術的困難からRatを用いた肥大心作成モデルを使用することにした.Ratのtriadin核酸配列は知られていないのでrabbit triadinの3つのisoformに共通な部分の核酸配列からPCRによりrat triadin cDNAを合成した.次に、このcDNAをprobeとしてrat cDNA jibraryをscreeningしたところ、3個のpositive clonesを抽出した(clone1,clone2,clone3).1.1kbのclone1とclone2は核酸配列から同一cDNAであり、rabbit triadin cDNAやヒトtriadin cDNAと高い相同性を有することからrat triadin cDNAと断定した.clone3は2.7kbとclone1に比べ長く、3'側はrabbit tradinと高い相同性を有するが、5'側は長いuntranslated regionが存在していた.以上より、ratにおいては少なくとも2つのisoformが存在していると考えられた.現在、full-length cDNAを得るために5'RACEおよび3'RACEを実施している.またclone1およびclone3をprobeとしてRNAの発現をNorthern blottingで検討したところ、clone3の発現は強いがcone1の発現はNorthern blottingでは検出できなかった.圧負荷肥大心モデルの検討前にisoformによる発現変化の検討が必要と考え現在検討中である. (2)Calsequestrin(CS)遺伝子の解析に関する研究結果:Rabbit genomic libraryをscreeningした結果6個の異なるpositive cloneを得、3個は制限地図とSouthern blottingにより解析し、遺伝子内のExonの分布を決定した。一方、他の3個のClonesについては、primerを用いてExon-Intron境界を明らかにした。心筋小胞体CS遺伝子のExonの分布は、白筋小胞体CS遺伝子のExonの分布に近似していた。また、Exon2、3、4、5、6、7、8、9、10の大きさは、各々87bp、98bp、111bp、74bp、131bp、46bp、55bp、101bp、75bpで白筋小胞体CS遺伝子と同じ大きさであった。しかしながら、Exon1については、本年は見つけることができなかった。libraryについては数種類のものを用いたがExon1の抽出は出来なかった。screeningの効率を上げるために、現在、PCRにより、Exon1の部分のみを増幅したprobeを作製しscreening中である。今後、心臓のSRのCS遺伝子の5'領域について制限地図とsequenceによって詳細に解析する予定である。
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