研究概要 |
循環器疾患におけるレニン・アンジオテンシン系の役割を検討するために、ヒトのゲノムDNAの遺伝子型を判定して、関連研究および、量的形質との関わりは多変量回帰分析を用いて解析した。その結果は、別添の様に、Hypertension誌、Journal of Hypertension誌に公表した。なかでも、本態性高血圧症とアンジオテンシノーゲン遺伝子の5上流コア・プロモーター領域の点変異との関連研究は、1998年に行われた第17回国際高血圧学会(Amsterdam,Holland)でのOfficial Sattelite SymposiumであるClinical Geneticsのセッションへのinvited speakerとして招かれるなど、国際的に評価されている。その他、冠状動脈硬化症におけるアンジオテンシン変換酵素遺伝子、内皮型NO合成酵素遺伝子の役割も明らかにし、Hypertension誌に発表した。また、頚動脈ドップラー超音波検査で明らかになった頚動脈硬化症と、アンジオテンシン変換酵素遺伝子との関係を多変量回帰分析を用いて明らかにし、同じくHypertension誌に発表した。 以上の様な成果で、この科学研究費の研究年度を終了し、引き続き、レニン・アンジオテンシン系遺伝子の解析を行い、循環器疾患の遺伝子診断として、実際の臨床レベルに応用できるように発展させ、高血圧・動脈硬化症の征圧に力を入れている。
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