本研究の研究目的は、若年型慢性骨髄性白血病の原因癌遺伝子の同定を試み、造血幹細胞の異常増殖のメカニズムを解明することにある。 本年度は、10例の若年型慢性骨髄性白血病の患者から得られた凍結骨髄を用いて、FACStar plusによりCD34陽性細胞を純化した。この細胞をStem cell factor(SCF)+granulocyte-macrophage colony stimulating factor(GM-CSF)の存在下にで無血清液体培養を行い、Differential Display法を用いてCD34陽性細胞の初期増殖分化に伴って発現量が変化する遺伝子をクローニングした。その結果、いくつかの遺伝子が同定された。その中でも、チロシン燐酸化を抑制するハービマイシンAで抑制されない異常増殖に関与する未知の遺伝子が同定されつつある。
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