研究概要 |
マウス長管骨より分離したM-CSF依存性の破骨細胞前駆細胞をもちい、IL-I、IL-3、IL-4、IL-6、IL-8、IL-11、CNTF、Oncostatin Mのα_vβ_5、α_vβ_3に及ぼす影響をノーザンブロット法にて、検討した。これらのサイトカインはいずれも、β_3の発現に影響を与えなかったが、IL-3、IL-6はβ_5 mRNAの発現を減少させた。その効果は特にIL-3において顕著であり、対象の30%に減少した。 マウス骨髄より分離した破骨細胞前駆細胞とストローマ細胞由来のST-2細胞を1,25(OH)_2D_3とデキサメサゾン存在下で共培養すれば、10日後に破骨細胞が形成される。このin vitroにおける破骨細胞形成系において、Insulin-like growth factor(IGF)-I、IGF-I/IGF binding protein(BP)-3 複合体の効果を検討した。IGF-IはTartarate resistance acid phosphatase(TRAP)陽性細胞数を10〜100ng/mlの範囲で用量依存性に増加させた。IGF-IとIGF-I/IGFBP-3の比較では、100ng/mlのIGF-Iもしくは相当量のIGF-Iを含むIGF-I/IGFBP-3はともにTRAP陽性細胞数を対象の1.3倍に増加させた。インテグリンβ_3mRNAの発現はIGF-I、IGF-I/IGFBP-3ともに対象に比し増加していたが、β_5mRNAの発現に著明な差はなかった。 マウス骨髄より分離した全骨髄細胞をIGF-IまたはIGF-I/IGFBP-3の存在下で培養したところ、Alkaline phosphatase(ALP)陽性細胞数はそれぞれ1.4、1.5倍に増加した。
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