研究概要 |
前年度に引き続き、ヒトWilson病およびMenkes病の遺伝子を用いて、蛋白を合成しそれに対するポリクローナル抗体を作製、精製した。構造遺伝子上の推定上の銅結合部位4-6位に対してExpression vecterを用いて蛋白合成し精製後、ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。今回はこの抗体をさらにProtein A beadsにてIgG cutし、さらに抗体を作製したもとの蛋白を用いたaffinity purificationを行い、より特異度の高い抗体を作製できた。Wilson病蛋白の局在についてはHepG2 cellを、Menkes病蛋白についてはHela cellを用いて細胞内蛋白の局在を検討した。今回精製したポリクローナル抗体は、さらに両蛋白の細胞内局在においてtrans-Golgiを中心にした局在を認めた。またそのシグナルはもとの蛋白を用いたblocking studyにて完全にblockされており非常に特異度が高かった。また各培養細胞の融解物を用いたWestern blotでは、Wilson病蛋白がおよそ165kDa,Menkes病蛋白がおよそ180kDaに特異的なバンドを認めた。各細胞内小器官に対するWestern blotすなわちpercoll gradientではおもにtrans-Golgiからendosomeにかけて特異的なバンドが認められ、これは免疫蛍光染色の結果と一致した。
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