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1998 年度 実績報告書

チロシンキナーゼ遺伝子の皮膚角化細胞の分化・増殖・癌化への関与

研究課題

研究課題/領域番号 09770605
研究機関筑波大学

研究代表者

川内 康弘  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00272196)

キーワードチロシン・キナーゼ / 神経線維腫症1
研究概要

神経線維腫由来培養細胞を材料に、RT-PCR法を用いて神経線維腫で発現しているチロシンキナーゼ遺伝子群をスクリーニングした。正常細胞との比較を維腫由来の線維芽細胞様細胞、同一患者の健常部皮膚線維芽細胞、正常人皮膚線維芽細胞からRNAを抽出し、チロシンキナーゼで共通に高度に保存されているモチーフをプライマーとしてRT-PCRを行い、その産物の塩基配列を決定し、さらに得られた塩基配列をDNAデータベース上でスクリーニングし、チロシンキナーゼの種類を同定し、神経線維腫由来の線維芽細胞様細胞、同一患者の健常部皮膚繊維芽細胞、正常人皮膚線維芽細胞の3者でのチロシンキナーゼの発現を比較した。その結果、健常人線維芽細胞では、tyk2、FGFレセプター、PDGFレセプター、hck.fes/fps等が単離され、NF1患者健常皮膚由来線維芽細胞でも同様にtyk2、FGFレセプター、PDGFレセプター、hck、fes/fps等が単離され、上記2つの細胞はほぼ同様のチロシンキナーゼ遺伝子の発現パターンをとっていると考えられた。一方、NF1患者神経線維腫由来線維芽細胞様細胞ではPDGFレセプター、ryk、IGFレセプター、JAK1、fyn、hek2、flkl等が単離され、明らかに健常人線維芽細胞、NF1患者健常皮膚由来線維芽細胞とは異なったチロシンキナーゼ遺伝子の発現パターンを示した。このことは、腫瘍化した神経線維腫ではチロシンキナーゼ群を介した増殖シグナル伝達系が正常線維芽細胞とは異なっていることを示唆するものである。またリンパ球、神経組織特異的に発現しているfyn、JAK1が発現していることは、NF1患者神経線維腫由来線維芽細胞様細胞が神経細胞類似の性格を持っていることを示唆する。さらにNFl患者神経線維腫由来線維芽細胞様細胞からは現在まで報告のない新規チロシンキナーゼ遺伝子片が同定され、今後全長のcDNAの単離を行い、その機能を解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Kawachi,et al.: "A novel donor splice site mutation in the CI-inhibitor gene of a patient with type I hereditary angioneurotic edema." Journal of Investigative Dermatology. 110・1. 101-103 (1998)

  • [文献書誌] Yasuhiro Kawachi,et al.: "Angiokeratoma corporis diffusum associated with galactosialidosis." Dermatology. 197・1. 52-54 (1998)

  • [文献書誌] Yasuhiro Kawachi,et al.: "Isolation of a _cDNA encoding tyrosine kinase expressed in murine skin." Experimental Dermatology. 6・3. 140-146 (1997)

  • [文献書誌] Yasuhiro Kawachi,et al.: "Eosinophil-colony stimmulating activity in blister fluid of bullous pemphigoid." Journal of Dermatological Science. 15・1. 51-54 (1997)

  • [文献書誌] Hikaru Tanaka,et.al.: "A novel variant of acquited epidermalysis bullosa with autoontibodies against the central triple-helical domain of type VII collagen." Laboratory Investigation. 7・12. 623-632 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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