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1997 年度 実績報告書

尋常性天疱瘡抗体による表皮細胞接着障害におけるシグナル伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770624
研究機関岐阜大学

研究代表者

青山 裕美  岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90291393)

キーワード天疱瘡 / リン酸化 / デスモグレイン / 表皮細胞
研究概要

尋常性天疱瘡患者の自己抗体がデスモソーム構造の接着分子デスモグレイン3(Dsg3)に結合し水疱を形成することは明らかであるが、水疱形成機序は不明である。デスモソーム構造の接着解離においてリン酸化反応が関与している可能性がある。そこで、我々はヒト有棘細胞癌由来株(DJM-1細胞)を^<32>Pでラベルした後、尋常性天疱瘡患者血清より精製したDsg3を認識するIgGで20分間刺激し、Dsg3を認識するIgGによる免疫沈降物をSDS-PAGEで分離したところ、Dsg3にシグナルがみとめられ、細胞内で実際にDsg3がリン酸化されていることが証明された。また、リン酸化アミノ酸分析の結果からDsg3はセリン残基がリン酸化されていることを示した。われわれは、このリン酸化反応に関与するキナーゼを検討する目的で、プロテインキナーゼ活性化剤(プロテインキナーゼC(PKC)活性化剤:TPA)や阻害剤(PKC阻害剤:H7,カリュモジュリンキナーゼ阻害剤:W7)の影響を検討したが、TPAによってDsg3はリン酸化されず、スタウロスポリンは部分的のリン酸化を抑制し,W7は全く影響を与えなかった。このことからDsg3のリン酸化にはPKCやカリュモジュリンキナーゼ以外のキナーゼが関与していることが推察される。これらの結果は、自己抗体がデスモソームカドヘリンに結合することがシグナル伝達経路の入り口でありかつ、その蛋白質のリン酸化が水疱形成という出口であることを示唆し興味深い。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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