本年度は劣性栄養障害型先天性表皮水疱症の患者より表皮ケラチノサイトを分離培養した。また、正常ヒトVII型コラーゲンcDNAを組み込んだプラスミドを大量精製した。 臨床症状、組織所見、VII型コラーゲン遺伝子変異より劣性栄養障害型先天性表皮水疱症と診断されている患者より、皮膚生検を行った。生検標本よりディスパーゼを用いて表皮を分離し、トリプシン処理にて表皮細胞を分離した。無血清培地であるMCDB153/BHEを用いて表皮細胞を培養した。細胞は一部を凍結保存した。 また、一部の細胞はSV40ウイルス遺伝子を持つプラスミドをトランスフェクトして、不死化を行った。不死化した細胞はMCDB153/BHEにて培養し保存している。正常全長VII型コラーゲン遺伝子導入を予定している。 正常全長VII型コラーゲン遺伝子のN末端にflag tagを挿入し、eukalyotic expression vecterであるpcDNA3に組み込んだもの(pcDNA-F-COL7A1)とtagなしのもの(pcDNA-COL7A1)をそれぞれE.coliに導入した。導入後のE.coliを大量培養し、キアゲンカラムを使用してプラスミドを大量に精製した。精製したプラスミドをCOS7細胞へリポフェクションし、VII型コラーゲンを含んでいると思われる蛋白を得た。現在ウエスタンブロッティングにてLH7.2(抗VII型コラーゲン抗体)、抗flag抗体を用いて蛋白を確認中である。
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