脳血流トレーサ定速持続静注下に連続SPECTを施行し、1回採血により局所脳血流を簡便に定量する方法(定速持続静注法)を開発し、本法のacetazolamide負荷脳血流予備能試験への応用を試みた。正常ボランティアを対象に、acetazolamide投与前後の局所脳血流値の変化をTc-99mECDと本法を用いて定量的にモニタリングしたところ、actazolamide投与後、直後より局所脳血流は20-30%増加し、ほぼ投与後15分まで、この血流増加は持続することが判明した。また、同時に施行したXe-133SPECT法による血流増加程度とも良い相関が認められ、本法による脳血流予備能試験の妥当性が示された。また、I-123IMPにても同様の検討を行ったが、IMPにおいても本法により血流増加を経時的にモニタリングすることが可能であった。また、本法を用いることにより、最短で2分ごとの血流定量画像を作成することが可能であった。これらの結果をふまえて、脳血管障害患者における本法の有用性をTc-99mECDを用いて検討したところ、未だ少数例ではあるが、血流増加程度においてXe-133SPECT法と良好な相関が認められている。本法は、従来法では不可能である脳血流の持続的モニタリングが可能であり、血流予備能検査のみならず他の脳賦活試験へも応用可能であり、臨床レベルで施行可能な方法として期待される。現在、脳血流予備能試験における臨床データの蓄積を行うとともに、他の脳賦活試験への応用を検討中である。
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