リンパ節腫脹病変をきたす主な病変としては悪性リンパ腫、固形腫瘍のリンパ節転移、炎症性病変が考えられるが、これまで固形腫瘍、炎症性病変、そして悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫に対するイメージングの報告はほとんどない。本研究では標識リンパ球シンチグラフィの臨床検査法としての有用性を押しひろげるために、まず、リンパ節腫脹病変の鑑別診断、ステージング等に利用することを試みることを目的に検討を行った。本年度は各種悪性腫瘍患者からリンパ球を採取し、標識後患者に注射し、ガンマカメラによる撮像からリンパ球動態の検討を行った。方法として、患者からヘモネティクスV50成分採血器を用い、比重遠心法により末梢リンパ球に富む分画を得た。この末梢リンパ球をインジウムオキシン(Indium111 oxine)を用いて標識し、患者に経静脈再投与した。撮影は中エネルギー用コリメータを装着したPRISM 2000XP(Picker社製)、またはZLC7500(Siemens社製)を用い、静注24時間後の撮像を中心に、できる限り静注4時間後の撮像も行った。非ホジキンリンパ腫患者15例を対象に、本検査法を施行した。静注後4時間ではリンパ節が陽性に抽出される患者は少なかったが、24時間後には全例陽性に抽出され、Gaスキャン検査よりも陽性率が高く、非ホジキンリンパ腫の検査法として有効なことを確認した。
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