研究概要 |
薬物療法抵抗性の難治性側頭葉てんかんのガンマナイフ治療の治療計画に関する基礎的研究を完了した。 まず、近年の側頭葉辺縁系の機能的解剖学の進歩に対応して、解剖学的構造と各種画像との比較、照合を行った。この結果、3次元MRI画像が側頭葉てんかんの焦点となる海馬・扁桃体の微細構造の特定に最も有用であることが分かった。てんかん焦点の局所治療では、焦点の一側性と左右の特定が必要であるが、これには、、機能MRI画像の他、発作時、非発作時の脳波、脳磁図、PETを初めとする核医学画像が有効性であった。 非磁性体MRI用ステレオタクティック固定具を改良して,CT、PET検査に利用可能とした。MRI画像の周辺部の歪みについては問題が指摘されたが、CT画像を参照して、予め海馬・扁桃体部分をMRI画像の中心部に位置させることで解決した。 DICOM形式の画像用サーバーを開発した。MRI、CT、PET画像を院内ネットワークを介して画像サーバーに転送し、各画像再構成装置の特有な画像フォーマットをDICOM形式に変換する機構を完成した。これにより、院内の各パソコン端末から、MRI、CT、PET画像を参照することが可能となり、ガンマナイフ治療計画用に撮影された画像を、実時間に取込み、画像処理をすることができるようになった。 各種画像を統合的に利用する3次元治療計画装置の開発に着手した。とくに画像融合技術によるてんかん焦点の定位的描出と、線量分布の自動最適化に関するアルゴリズムを作成した。来年度には試作装置を開発する。 以上の研究成果をもとに、ガンマナイフによる難治性てんかん治療のプロトコルを作成した。
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