1、 抗ヒトADP-リボシル水解解素(AH)抗体を作製;ヒトAHの部分アミノ酸の、15アミノ酸残基からなるペプチドを合成した。この合成ペプチドを抗原としてラットに免疫し、抗ヒトAH抗体を作製した。この抗ヒトAH抗体がヒトAHを認識することを、ウェスタンブロットにて確認した。現在、免疫組織学的検討を行なっている。 2、 ヒト脳脊髄液中のAH活性の測定;HPLCを用いたAHの酵素活性の測定法により、さまざまな精神神経疾患におけるAH酵素活性の変化を測定した。幾つかの精神神経疾患においてAHの酵素活性が上昇する結果を得ているが、さらにサンプルを増やして検討中である。 3、 精神分裂病脳の形態学的研究(免疫組織学的検討);精神疾患の形態学的検討に関連して、精神分裂病患者(10例)および正常対象者(10例)の死後脳について、脳発達や記憶に関係するタンパク質に対する抗体を用いて、免疫組織学的に検討した。神経発達に関与するWnt-1が。分裂病脳で過剰発現していることを明らかにした。今後、さらに詳細な検討をする予定である。
|