研究概要 |
1 両親が共に沖縄県出身の当大学生からボランティアを募集した。同意を得た上で精神科医が面接を行い、本人が健康で、かつ2親等以内に精神疾患(精神分裂病、躁うつ病、神経症、アルコール依存症など)の遺伝負因の無い、114人を健常者群とした。その後、静脈血の採血を行った。 2 当院通院中の両親が共に沖縄県出身者である精神分裂病患者から、同意を得た上で、採血を行い、また診療録から病型、罹病期間、発症年齢、遺伝負因などについて調査した。 3 DNA抽出用キットを用いて血液よりDNAを抽出し、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)でニューロトロピン-3遺伝子領域の増幅を行った。グリシン/グルタミン(Gly/Glu)多型性を検出するため、制限酵素を3時間以上反応させた。その後、電気泳動にて断片長多型を確認した(Gly/Glu多型性)。 4 健常者群(114人)のGlu対立遺伝子頻度は0.1842で、遺伝型Glu/Glu,Gly/Glu,Gly/Glyはそれぞれ1人、40人、73人であった。精神分裂病群に関しては、現在調査中である。 5 精神分裂病群の対象数がまだ少なく、対立遺伝子頻度や遺伝型の比較ができていない。今後、対象数を増やし、対象全体の比較のみならず、性、病型、遺伝負因、発症年齢などによって分類した精神分裂病群でも比較検討してゆく予定である。
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