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1998 年度 実績報告書

母子分離ストレスによる脳内GABA神経系への影響

研究課題

研究課題/領域番号 09770764
研究機関久留米大学

研究代表者

江本 浩幸  久留米大学, 医学部, 講師 (80231190)

研究分担者 吉田 眞美  久留米大学, 医学部, 助教授 (50148285)
田中 正敏  久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)
キーワード母子分離 / ストレス / GABA / 内側前頭前野 / 脳内透析灌流法 / Piperidine-4-sulfonic acid(P4S) / GABA A アゴニスト / ラット
研究概要

母子分離ストレスを負荷された成熟ラットに対し心理的ストレスを暴露することによって引き起こされる脳内GABA(y-butylic acid)の放出を脳内透折法により測定し、母子分離つまり乳幼児期の母子間のアタッチメントの不全性によってもたらされると思われる成長後の精神機能の脆弱性とGABA神経系の関係を明らかにすることを目的に実験を行なった。対象動物としてwiStf系雄性ラットを用いた。出生後3日目より1日15分間もしくは60分間、母ラットから仔ラットを隔離する操作を授乳期に相当する生後3週まで続け、その後同胞3-4匹と共に成育させ、約8週齢になった時点で再度ストレスを負荷した。ストレスは、multiple chamber boxを用い、自らは電撃ストレスに負荷されないが、電撃ストレスを受ける他のラットが示す鳴き声、もがきなどに曝される心理的ストレスの20分間の負荷、もしくは用手的拘束ストレス15分間を与えた。ラットの内測前頭前野にブローブを挿入し、試料を脳内透析潅流法により経時的に回収し、高速液体クロマトグラフィーを用い、OPA(0-phthalaldehyde)によって誘導体化されたGABAを分光光度計によって測定した。その結果、対照群に比べGABAの基礎放出量に有意な差はなく、またストレスによって引き起こされたGABA放出量の増加は母子分離ストレス負荷群においてはやや滅弱する傾向がみられたが、対照群に対して有意差は認められなかった。そこでGABAA受容体アゴニストであるpiperidine-4-sulfonic acid(P4S)を同部位で40分間灌流したところ、母子分離ストレス負荷群は対照群に比し有意なGABA放出量の減少が認められた。このことから乳幼児期の母子分離が発達過程において内側前頭前野のGABA神経系になんらかの影響を及ぼし、その受容体に変化を生じさせることが示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2021-09-14  

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