研究概要 |
これまで我々はCD20が増殖因子作動性Ca2+透過性チャネルとして機能することを明らかにしてきた。本研究ではCD20チャネルをモデル分子として増殖因子受容体およびG蛋白によるチャネル活性化の分子機構を電気生理学的手法を用いて明らかにするとともに,CD20チャネルのホモログすなわち新たな増殖因子作動性Ca2+透過性チャネルをクローニングする事を目的とした。 その結果、精製G蛋白およびrecombinat-Giα1,2,3サブユニット(GTPγS-activated)によりCD20チャネルは強く活性化され,この活性化はGβγの作用を減弱するβARK-peptideにより何ら影響を受けず、さらにr-Gβ1γ2サブユニットにはCD20活性化作用はなかった.Giαによる活性化の程度はGiα2>Giα3>>Giα1の順で強かった.IGF-Iにより活性化されるCD20チャネルは中和効果を持つ抗Gia2抗体添加により有意に減弱した.以上のことからCD20チャネルはIGF-I刺激によりGiα2サブユニットを介して活性化されるという分子機構がはじめて明らかにされた。また、マウス胸腺cDNAライブラリーより、新たなチャネル様蛋白の遺伝子(約3Kb)のクローニングに成功した。現在発現実験によりチャネル機能を解析中である。
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