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1997 年度 実績報告書

血液系細胞分化におけるサイクソン依存性キナーゼ抑制因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09770812
研究機関帝京大学

研究代表者

内丸 薫  帝京大学, 医学部, 講師 (60251203)

キーワードp21 / p27 / 単球 / 巨核球 / 分化
研究概要

1.MEG-01s細胞のTPAによる分化モデルにおけるCKIの役割:antisense oligonucleotideによる実験についてはTPAによる強力なp21の発現誘導をoligoで抑制することができず系の確立を断念した.p27の発現は細胞増殖を抑制できない低濃度のTPAで誘導されることから,p21が細胞周期停止に中心的役割を果たしていると考えられた.さらに,我々が使用しているMEG-01s細胞にはRb蛋白が欠損していることが判明し,分化に伴うp21の発現誘導とそれによる細胞周期停止にRbを介する経路が不要であることが示唆された.2.臍帯血CD34陽性細胞の巨核球系分化誘導系による検討:TPOを用いて得られた多数の巨核球系コロニーを解析すると,巨核球の最終分化段階においてp21の発現が検出され,これまで,我々が解析してきたMEG-01s細胞におけるTPAによる分化誘導モデルが実際の巨核球の分化・増殖にも一部当てはまることが確認された.3.単球・マクロファージ系細胞分化に伴うCKIの発現:これまで単球系細胞株の分化モデルでは,分化誘導とともにp21の発現が誘導されることが報告され,分化の上流にp21の発現が存在する可能性が指摘されていた.定量的RT-PCRによる今回の解析でも,ヒト臍帯血由来単球・マクロファージコロニーの最終分化段階で,p21mRNAの発現レベルが上昇することが確認された.しかし,発現時期は,ほとんどがマクロファージに分化した段階以降であった.また,免疫細胞化学では,一部のマクロファージの核にのみp21蛋白が認められた.これらは,正常細胞ではp21の発現が最終分化のむしろ下流にあることを示し,最終分化には必須でないことを示唆しいている.これは,p21欠損マウスで造血に大きな異常がないこととよく符号する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 折井幸司: "多彩な臓器湿潤を認めたMantle cell lymphoma" 臨床血液. 38. 520-525 (1997)

  • [文献書誌] Toshiyasu Taniguchi: "Cyclin DI overexpression detected by a simple competitive reverse transcription-polymerase Chain reaction assay for lymphoid malignancies" Japanes Journal of Cancer Research. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Kaoru Uchimaru: "Growth arrest associated with 12-0-tetradecanoylphorbul-13-acetate-induced hematopoietic differentiation with a defective refincblastoma tumor suppressor-mediated pathway" Leukemia Research. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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