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1997 年度 実績報告書

BCR-ABL導入ヒト細胞株において特異的に変動している遺伝子のクローニング:慢性骨髄性白血病の分子病態への新たなアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 09770815
研究機関東京大学

研究代表者

渡 潔  東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (90222413)

キーワードBCR / ABL / TF-1 / ID-1 / Differential Display / メラノーマ抗原 / PRAME / CML / Ph-ALL
研究概要

我々は、慢性骨髄性白血病の原因遺伝子であるBCR/ABLを、造血因子依存性ヒト白血病細胞株TF-1に導入し、自律性増殖を獲得した細胞株ID-1を樹立した。この細胞株において発現が増強している遺伝子はBCR/ABLによる細胞のがん化に密接な関連を有していると考えられるため、このような遺伝子の同定を試みた。方法としては、親株であるTF1およびID-1由来のRNAをDifferential Display法を用いて解析した。親株であるTF-1に比べてID-1で発現の増強がみられたバンドをクローニングし、塩基配列を決定したところ、近年新しく同定されたメラノーマの腫瘍抗原PRAMEと同一であることが判明した。PRAMEはノザン法にても、TF-1に比較しID-1で強く発現していることが確認された。次に患者検体におけるPRAME発現を逆転写PCR(RT-PCR)法により検討したところ、CML-BC(3例)およびPh-ALL(3例)では全例で高発現が認められ、CML-CP(3例)、Ph陰性ALL(2例)および正常人骨髄(2例)では発現は低いか認められなかった。PRAMEは、HLA-A24拘束性に細胞障害性T細胞により認識される腫瘍抗原として報告されている(Immunity,6:199-208,1997)が、メラノーマだけでなく肺癌、腎癌、および急性白血病等での発現が認められるほか、正常精巣での発現が高いと報告されている(同)。今回の結果は、PRAMEが、CMLやPh-ALLにおいて芽球のマーカーとなりうる可能性およびPRAMEを標的とした免疫遺伝子療法の可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Watari: "A new melanoma artigen,PRAME,is identified as a BCR/ABL-inducible gene in TF-1 cells." BLOOD. 90. 197a- (1997)

  • [文献書誌] Kiyoshi Watari: "Pharmacokinetic studies of intravenous glycosylated recombinant human G-CSF in various hematological disorders" International Journal of Hematology. 66. 57-67 (1997)

  • [文献書誌] Kiyoshi Wtari: "Production of interleukin 1β by human hematopoietic progenitor cells" The Journal of Clinical Investigation. 97. 1666-1674 (1996)

  • [文献書誌] Kiyoshi Watari: "Expression of interleukin-1β gene in candidate human hematopoietic stem cells" BLOOD. 84. 36-43 (1994)

  • [文献書誌] Kiyoshi Watari: "Induction of GM-CSF expression in candidate human hematopoietic stem cells by TNF-α" BLOOD. 86. 313a- (1995)

  • [文献書誌] Kiyoshi Watari: "Production of human G-CSF by various Binds of stromal cells in vitro detected by EIA and in situ hybridization" Stem Cells. 12. 416-423 (1994)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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