研究概要 |
我々はトロンボポエチン受容体(TPOR)のdeletion mutant cDNAを作成し、ヒト白血病細胞株UT-7/EPOに安定発現させ、TPOR機能ドメイン解析を行った。これにより細胞増殖や巨核球分化に必須な領域はアミノ酸575-586とアミノ酸615-630にあり、アミノ酸587-614には細胞増殖や巨核球分化を負に制御する領域が存在することを明らかにした(Takatoku, et al.,J.Biol.Chem.1997)。次に細胞増殖や巨核球分化の制御に、どのような細胞内シグナルが関与しているかを解析した。その結果JAK2-STAT、Raf-MAPの2つのシグナル経路が重要な役割を演じていることが明らかにした(投稿準備中)。 さらに我々はTPO刺激により赤芽球への分化が誘導されることを見出した(Yamada, et al.submit)。そこでTPORとエリスロポエチン受容体(EPOR)の間にシグナルクロストークが存在するのではないかと考え、細胞株を用いて解析したところ、TPO依存性にTPORとEPORにシグナルト-クがあることをはじめて見出した。今後さらに検討を加え発表予定である。
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