etsファミリー転写因子PU.1とコアクチベーターCBPの相互作用 酵母を用いたTwo-hybrid法によりPU.1蛋白質と相互作用する蛋白質として単離されたCREB binding protein(CBP)との詳細な解析を行った。GST binding assayでin vitroでのPU.1とCBPの結合を確認し、種々の欠失変異体を用いてその結合部位も同定した。PU.1側の結合部位はN末側の転写活性化ドメイン(78-122a.a.)であり、CBP側の結合部位はZnフィンガーを含むC末側(1283-1915a.a.)であった。次に、PU.1の転写活性化能へのCBPの関与について機能解析を行った。ルシフェラーゼ遺伝子にPU.1結合部位を3回繰り返した配列を繋いだレポーター遺伝子をHeLa細胞に導入してreporter gene assayを行ったところ、PU.1による転写活性化はCBPにより協調的に働き、CBPの量依存性に増強された。一方、PU.1結合部位を欠いたCBPではPU.1と協調的に働くことはなかった。以上のことからCBPは転写因子PU.1と結合し、そのコアクチベーターとして機能することが明らかになった。今後、CBPを介した転写因子間の正または負のクロストークの詳細な解析を通じ、Etsファミリー転写因子が血液細胞の細胞増殖、分化、アポトーシスに及ぼす役割を明確にする。
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