低カリウム血症時において近位尿細管管空側のNa/H antiporter活性の亢進が指摘されているが、そのメカニズムは不明である。OKP細胞には近位尿細管管空側上皮と同様のNa/H antiporter(NHE3)が存在している。そこで今回はOKP細胞を用い低カリウムの影響を検討し以下の結果を得た。 1、OKP細胞のNa/H antiporter活性は低カリウムによって亢進した。この活性亢進は4時間では確認できずむしろ、8時間目以降に出現した。 2、アミロライド感受性により、活性亢進したNa/H antiporterはNHE3であると考えられた。 3、8時間ではNHE3蛋白・mRNA産性非依存性、24時間では依存性のメカニズムも関与が考えられた。 4、活性亢進の引き金として細胞内酸性化が重要であると考えられた。 5、細胞内情報伝達にはチロシンカイネースが重要であると考えられた。 今回申請時に計画したNHE3蛋白の細胞内移動につきNHE3蛋白・mRNA産性非依存性のメカニズムとして現在検討中である。
|