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1997 年度 実績報告書

小頭症形成過程における大脳皮質神経細胞の死と遊走障害

研究課題

研究課題/領域番号 09770865
研究機関徳島大学

研究代表者

澤田 和彦  徳島大学, 医学部, 助手 (10284324)

キーワード小頭症 / メチルアゾキシメタノール / MAM / ミッドカイン / 神経細胞死 / 神経細胞遊走障害
研究概要

妊娠後期のラットにメチルアゾキシメタノール(MAM)を投与すると、その仔動物に小頭症が生じる。小頭症発症機構の解明を目的として、神経栄養因子としての働きを持ち、放射状グリアで発現されるミッドカイン(MK)の発現動態をMAM投与後の胎仔大脳新皮質で経時的に調べた。
妊娠15日目(膣栓確認日=妊娠0日)のWistarラットの腹腔内に20mg/kg・体重のMAMを一回投与し、投与12、24、48、72、96時間後に帝王切開により胎仔を取り出した。対照群には溶媒(0.9%NaCl溶液)を投与した。取り出した胎仔の脳はZamboni液で固定し、20%ショ糖を含んだPBS中で4℃で一晩透徹した後、OCTcompoundに包埋し、クリオスタット(CM1800,Leica,Germany)により厚さ5μmの前頭断凍結切片を作製した。切片にはヘマトキシリン・エオシン(HE)染色及び抗ミッドカイン(MK)抗体を用いた免疫染色を施した。
HE染色では、MAM投与24時間後から、大脳新皮質の脳室帯及び介在層でpyknosisを起こしている細胞が出現し、その数は投与48時間後にピークに達した。投与96時間後にはpyknosisを起こしている細胞は消失したが、脳室帯に神経細胞の移動障害の結果生じたと考えられる異所性細胞集塊が観察された。MKの免疫陽性反応は、放射状グリアにみられ、MAM投与後24時間まではその反応強度と陽性反応を示すグリアの形態に変化はみられなかった。しかし、投与後48時間で放射状グリアでのMK陽性反応は消失した。
以上、胎仔大脳新皮質ではMAM投与による神経細胞死がピークに達する投与48時間後で放射状グリアでのMK発現が消失したことから、MKと神経細胞死との関与が示唆された。また、MAM投与群では放射状グリアでのMK発現の消失後に異所性細胞集塊が観察されたことから、MKの神経細胞遊走への関与も示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sun,X-Z, Inouye,M, Fukui,Y, Hisano,S, Sawada,K, Muramatsu,H, Muramatsu,T: "An immunohistochemical study of radial glial cells in the mouse brain prenatally exposed to γ-irradiation" Journal of Neuropathology and Experimental Neurology. Vol.56,No.12. 1339-1348 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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