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1997 年度 実績報告書

乳癌の微小転移予測とその治療に関する研究-血管新生からのアプローチ-

研究課題

研究課題/領域番号 09770883
研究機関群馬大学

研究代表者

武井 寛幸  群馬大学, 医学部, 助手 (40261846)

キーワード乳癌 / micrometastasis / 血管新生 / 接着因子 / Platelet derived endothelial cell growth factor / Vascular endothelial growth factor / 微小血管密度
研究概要

乳癌では,リンパ節転移,腫瘍径,エストロゲンレセプターなどが,micrometastasis予測およびその後の治療方針決定の重要な因子とされ,特にリンパ節転移は最も有用な指標である.我々はより正確なmicrometastasis予測のため,これら因子以外に,腫瘍内血管新生および接着因子発現が重要であると考えている.腫瘍内微小血管密度と接着因子の一つであるFibronectinの発現が互いに負の相関を示し,それぞれmicrometastasis予測に重要であることをすでに報告した.今回,腫瘍内微小血管密度および増殖因子であるPlatelet derived endothelial cell growth factor(PDECGF)および Vascular endothelial growth factor(VEGH)の発現を,原発巣およびリンパ節転移巣で検討し,micrometastasis予測因子としての意義を検討した.PDECGFの原発巣およびリンパ節転移巣での発現はほぼ正の相関を示し,VEGFの発現も同様な傾向を示した.両増殖因子は,原発巣および転移リンパ節巣において,それぞれ微小血管密度と正の相関を示した.転移リンパ節巣での腫瘍内微小血管密度および両増殖因子発現は,原発巣におけるこれらの因子の発現に比べ,予後因子としてより重要であった.つまり,リンパ節転移陽性例では,転移リンパ節巣での血管新生およびその増殖因子を評価することが,micrometastasis予測により重要であると考えられた.本研究結果より,乳癌患者におけるmicrometastasis予測については,従来からの指標に加え,まず,原発巣こおける血管新生,関連増殖因子および接着因子の発現を検討し,リンパ節転移陽性症例では,転移リンパ節でのこれら因子の解析によって,より正確な予測が可能であると考えられる.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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