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1997 年度 実績報告書

胃癌とEpstein-Barr virusとの関連性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09770884
研究機関千葉大学

研究代表者

小田 健司  千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282483)

キーワード胃癌 / Epstein-Barr virus / 残胃癌 / EBV抗体価 / bcl-2 / 湿潤リンパ球
研究概要

胃癌とEpstein-Barr virusとの関連性に関して、今年度新たに得られた研究成果を以下に示す。
1.EBV関連胃癌症例の臨床的特徴:EBV関連胃癌は全胃癌の4.9%を占め、男性に多く、胃上部で限局隆起型が多いことを示してきた。今回残胃癌での検討を行った結果、30%もの症例でEBVが腫瘍細胞内に検出され、通常型胃癌に比較すると有意にEBV検出率が高く、胃酸濃度の低下がEBVの易感染性を生じる可能性が示唆された。
2.抗EBV抗体価の測定および腫瘍マーカーとしての意義:EBV関連胃癌患者では血清中の抗viral capsid antigen(VCA)-IgG、抗early antigen(EA)-IgG、抗EBNA抗体価が上昇していた。特に抗EA-IgGの上昇が特徴的であり、cut off価を20倍未満とするとsensitivity 80.0%、specificity 100.0%と特異性が非常に高く腫瘍マーカーとして臨床応用可能と思われた。抗VCA-IgM,IgA,抗EA-IgAは全例10倍以下であり抗体価測定の意義は認められず、リンパ上皮腫型鼻咽頭癌(IgAタイプが上昇)とは異なる抗体価パターンを呈していた。今後、大腸癌、悪性リンパ腫、白血病、慢性活動性EBウイルス感染症、膠原病などの症例との比較を行う予定である。
3.bcl-2癌遺伝子の発現:EBV関連胃癌でアポトーシスを抑制するbcl-2の発現を示す症例がみられたが頻度は少なく、特異性は認められなかった。
4.湿潤リンパ球のT細胞受容体の解析およびEBV関連胃癌患者のHLAタイピング:症例が少なく不十分であった。
5.EBV lytic cycleの検索:諸検査にてもEBV virus産生性増殖を示す所見は得られなかった。
6.EBV関連胃癌のcell line作成の試み:現在まで数例試みたが成功していない。
以上が本年度の成果であるが、今後も研究を継続していく方針である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Oda et: "Association of Epstein-Barr virus with gastric adenocarcinoma" Progress in Gastric Cancer Research 1997 Proceedings of the 2nd International Gashic Cancer Corgres. Vol.1. 29-32 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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