原発性乳癌96例において、non-Rl/SSCP法により泳動し銀染色にてK-raspointing mutationの確認を行った。K-ras pointing mutationの確認できたのは1例のみであった。次に乳癌mucinous carcinomaの検体13例よりDNAを抽出。K-ras pointing mutationの確認を行った。K-ras pointing mutationの確認できたのは先の1例のみであり、乳癌の発生、進展においてK-raspointing mutationとの関連性は低いと考えられた。 次に原発性乳癌患者70例において、凍結保存された検体を用いtelomerase活性を測定した。telomerase活性の確認できたのは13例(18%)であった。次に1998年度中に、当院にて根治術の行われた原発性乳癌患者28例について、迅速に検体の処理の可能であった症例28例について同様の方法にてtelomerase活性を検討したところ20例(71%)にtelomerase活性を確認できた。 これを組織型、病期、その他の背景因子において独立性の検討を行ったがいずれも統計学的には関連性を認めなかった。 現在は原発性乳癌患者、再発乳癌患者より血中のtelomerase活性を検討中である。
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