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1997 年度 実績報告書

癌転移におけるシグナル伝達解析と転移規定分子の固定による抑制治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09770945
研究機関九州大学

研究代表者

田中 真二  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30253420)

キーワード癌転移 / シグナル伝達 / 細胞浸潤 / 細胞移動 / Grb7 / 分子間相互作用 / レセプター型チロシンキナーゼ
研究概要

1)癌細胞の転移は様々なステップによって成立するが、細胞移動は重要な第一段階である。我々はC.elegansの細胞移動遺伝子cell migration gene,mig-10をターゲットとして、ヒト癌細胞よりMig-10の持つユニークなcentral domainと相同部位を持つ遺伝子の固定を試みた。
2)その結果、EGF/PDGFシグナル分子ヒトGrb7をクローニングした(GenBank登録D87531)。ヒトGrb7蛋白質は532アミノ酸から成立し、N末端にはSH3結合コンセンサス配列を示すproline-rich部位を認め、中央にPH domainを含むcentral domainが存在し、C末端にはSH2 domainを持つ細胞内分子である。Grb7 SH2 domainはEGFレセプターと直接結合し、そのレセプター型チロシンキナーゼによりリン酸化されることから細胞内シグナル伝達分子と推測される。
3)次に、食道癌臨床症例におけるGrb7の発現と臨床病理学的因子との相関を調べたところ、Grb7は癌部でのみ高発現しており、さらに癌浸潤度の規定因子になりうることを見出した(Tanaka et al.Cancer Res 1997)。最近、Grb7はMig-10,Grb10,Grb14とともに新規シグナル分子ファミリーを形成していることが明らかとなっている。
4)我々は、現在、Grb7分子と結合、相互作用する蛋白を固定し、そのシグナル伝達経路の抑制による細胞浸潤への効果を解析している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tanaka,S: "Coexpression of Grb7 with epidermal growth factor receptor or Her2/erbB2 in human advanced esophageal carcinoma." Cancer Research. 57. 28-31 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka,S.: "Biological effects of human insulin receptor substrate-1 overexpression in hepatocytes." Hepatology. 26. 598-604 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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