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1997 年度 実績報告書

肝膵同時切除および拡大肝切除術における肝虚血侵襲と酸素需給動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09770950
研究機関岩手医科大学

研究代表者

佐々木 亮孝  岩手医科大学, 医学部, 講師 (50265146)

キーワード肝膵同時切除 / 肝切除 / 肝静脈血酸素飽和度 / 肝虚血侵襲 / 酸素需給動態
研究概要

肝臓に対する手術侵襲が非常に大きく肝不全死の克服が問題にとなっている肝膵同時切除(hepatopancreatoduodenectomy,以下HPD)や拡大肝切除施行例の手術操作時の肝侵襲の軽減を目的として各々13例を対象とし検討を行い、以下の結果を得た。
1)術中肝虚血侵襲をもたらす手術操作について
肝静脈血酸素飽和度(hepatic venous hemoglobin oxigen saturation,以下Shvo_2)値は肝の脱転操作、Pringle法施行および肝十二指腸間膜内リンパ節,上腸間膜動脈周囲リンパ節郭清の際にリアルタイムに低下した。
肝での酸素需給動態と術後肝機能との関連について
平均術中Shvo_260%以下低下時間は肝切除群では38.5±37.9分、HPD群では60.0±52.7分であった。Shvo_260%以下低下時間と術後T-Bil最高値の関係をみると、肝切除群ではp=0.0571であったが、HPD群ではp=0.0288、肝切除とHPDをあわせた全例でもp=0.007と有意の正の相関がみられた。術中Shvo_260%以下低下時間と肝切除終了時のarterial ketone body ratioの関係では、肝切除群、HPD群、肝切除とHPDをあわせた全例いずれも相関関係がみられなかった。
3)肝での酸素需給動態とサイトカインとの関連について
Shvo_260%以下低下時間とIL-6およびPMNelastaseとの関係では各々p=0.0134、p=0.0132と有意の正の相関が見られた。
【まとめ】術中Shvo_2値は肝虚血侵襲を表し、術中Shvo_2モニタリングを行い可及的に術中Shvo_2を低下させないことが、HPDや拡大肝切除における肝不全回避に有用である可能性が示唆された。Shvo_2値は、肝切除では肝虚血侵襲のみならず全身における侵襲も表していると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐々木亮孝: "肝膵同時切除および肝切除における術中肝静脈血酸素飽和度モニタリングの有用性" 日本消化器外科学会雑誌. 第29巻第12号. 2329- (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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