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1997 年度 実績報告書

テロメラーゼを標的とした食道扁平上皮癌の新しい診断体系の確立と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 09770954
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小柳 和夫  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90265835)

キーワード食道扁平上皮癌 / テロメア / テロメラーゼ / 細胞不死化 / TRAP法 / 高感度検出法 / 早期癌診断 / 血行性転移
研究概要

1.食道前癌病変の早期診断法としてのテロメラーゼ活性の測定に関する検討
(1)手術切除標本のヨード染色不染部20例でテロメラーゼ活性を測定したところ,そのうちの12例で活性を認め,組織学的に全例(100%)同部に上皮内癌を認めた.活性陰性の8例は全て(100%)癌細胞を認めなかった.
(2)内視鏡生検のヨード染色不染部55例中28例でテロメラーゼ活性を認めた.28例中25例(93%)は組織学的に同部に癌細胞を認めた.活性陽性で癌細胞陰性の組織所見は全て異型細胞であった.活性陰性の27例は,全て(100%)組織学的に癌細胞を認めなかった.したがって,ヨード染色不染部におけるテロメラーゼ活性の測定は癌の新しい分子生物学的早期診断法として応用できると考えられた.さらに,テロメラーゼ活性は異型上皮にも認められ,組織学的に診断できない不死化細胞の存在を意味するものと考えられた.
2.遠隔臓器転移の高危険群診断法としての食道癌患者末梢血液細胞成分のテロメラーゼ活性測定に関する検討
(1)フローサイトメトリーによる細胞分布の検討から,リンパ球は非リンパ球分画に存在せず,癌細胞は非リンパ球分画に分離された.
(2)健常成人末梢血液より採取した非リンパ球成分10検体ではテロメラーゼ活性を全て認めず,リンパ球成分では活性を認めた.食道癌患者における末梢血液非リンパ球成分のテロメラーゼ活性を測定したところ42例中9例に活性を認めた.9例中7例(78%)は血行性転移を認めており,1例は大動脈浸潤を有する症例であった.反対に活性陰性の33例中4例(12%)にのみ血行性転移を認めた.末梢血液非リンパ球成分のテロメラーゼ活性の測定は血行性転移の新しい予測因子として応用しうると考えられた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小柳 和夫,他.: "テロメラーゼ活性からみた食道早期癌診断" 日本臨床. 56・5(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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