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1998 年度 実績報告書

消化器癌に対する自殺遺伝子治療とこれに続く肝内抗腫瘍免疫能に賦活の関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09770967
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

三澤 健之  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50260956)

キーワード自殺遺伝子 / 転移性肝癌 / 消化器癌
研究概要

1. BD-9ラットおよび,BD-9ラット由来の大腸癌細胞を用いて,安定したラット腹腔内播種モデルと肝転移モデルの作製に成功した.
2. ラット腹腔内播種モデルにおいて,腫瘍が単純ヘルペスウィルス由来のチミジンキナーゼ遺伝子(HS-tk)を導入されている場合にはganciclovir(100mg/kg/day,12日間)を腹腔内注射することにより腫瘍はほとんど消失し,対照群(ganciclovirの投与なし)に比較して腫瘍重量は有意に少なく(p<0.01),97.8%の腫瘍抑制効果が示された.
3. 腹腔内播種病巣を自殺遺伝子療法で治療をしたラットでは,同時に作製した,HS-tkの導入をされていない肝腫瘍も抑制されることを示した。また,興味深いことに,肝腫瘍を鏡検したところ,対照群では認められなかった著しい炎症細胞の浸潤と繊維化が認められた.また,腹腔内腫瘍に対する自殺遺伝子治療に成功したラットでは,肺転移が少ない傾向にあったあった。先に自殺遺伝子治療を行った動物では,同時に存在する肝転移病巣とともに肺転移も抑制されたことから,腹腔内癌播種病巣に対する自殺遺伝子治療により,全身的な抗腫瘍免疫能(ワクチン効果)が惹起された可能性を示した.
4. ワクチン効果をより明確に示すため,腹腔内播種病巣に対する自殺遺伝子療治療が成功し,腫瘍が完全に消失したラットの肝臓に,HS-tkの導入をされていない親細胞を接種し,拒絶の有無を検討した。自殺遺伝子治療を行ったグループでは行っていないグループに比較して肝腫瘍重量は有意に小さかった。また,自殺遺伝子治療を行ったグループでは肺転移は全く認められなかったのに対し,遺伝子治療を行っていないグループは全例に肺転移病巣を認めた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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