我々は過去9年間にわたる基礎研究を踏まえ、症例を選ばない、自己骨格筋を動力源として、外部動力源不要の補助循環装置である永久動脈カウンターパルセーターを新たに開発中である。我々は模擬回路を用いた動物実験を積み重ね、次の点を明らかにすることができた。1.我々の開発する補助循環装置は従来の骨格筋ポンプと呼ばれる補助循環装置に比して、エネルギーロスを認めなかった。2.従来の補助循環装置と比較し耐破裂性の向上を認め、臨床応用に一歩近づく事ができた。3.血液接触面に比較的伸縮性の低い素材を用いることが可能となり、抗血栓性材料の選択が自由になった。4.ポンプ内の血液の駆出率は従来型と比較し飛躍的に改善、これもポンプ内血栓形成を抑制し、臨床応用へ一歩近づけることができた。我々は以上の内容を1998年4月第98回外科学会総会で発表する予定である。
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