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1998 年度 実績報告書

生体脳微小循環観察法を用いた低体温下逆行性脳灌流法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09771001
研究機関自治医科大学

研究代表者

齋藤 力  自治医科大学, 医学部, 助手 (40245048)

キーワード脳表微小循環(cerebral circulation) / 逆行性脳灌流法(retrograde ccrebral perfusion) / cranial window
研究概要

目的:ラット実験モデルを用いて、closed cranial window法を応用し,生体脳微小循環観察法,蛍光血管造影法を駆使して逆行性脳灌流時の脳表微小循環を可視化し,頭蓋内圧,灌流圧を人工的に調節することにより逆行性脳灌流時の脳微小循環に関する検討を行った.
方法:脳微小循環の観察はwindowを介し,落射型蛍光顕微鏡下におこなった.まず低体温心拍動下順行性循環を観察したのち,同一視野で逆行性脳灌流を行なった.灌流液には0.01FITC-albuminを蛍光標識物質として生理的食塩水と混和し、10倍の長焦点対物レンズで観察した。観察対象血管は、middle cerebral arteryの分枝細動脈(血管径25-50μm)からsuperior cerebral veinの分枝細静脈(血管径50-90μm)とした.血流速度は観察対象血管の流れを肉眼的に確認しつつ,フレームバイフレーム法にて計測を行なった.血流速度の有意差検定は,速度を絶対値で表現してMann-Whitney U検定によりp<0.01を有意として評価した.さらに,微小循環観察法と同様の逆行性脳灌流モデルを用いて逆行性脳灌流終了時に断頭し、脳を摘出固定,標本作成後、逆行性灌流圧にわけ組織学的に観察し、脳表微小循環像とあわせて検討した。
結果:低体温下灌流圧15-30mmHgで測定した脳微小血管血流速度は、脳細動脈、脳細静脈を比較すると,絶対値での血流速度に有意差(p<0.01)を認めた.また,脳組織観察法による灌流分布では25mmHgで脳実質の灌流分布が均一であった.
考察:closed cranial window逆行性脳灌流モデルでは,頭蓋内圧3±2cmH_2O、逆行性灌流圧15-30mmHgの灌流条件で最も良好な脳微小循環が観察された.その範囲内では脳組織灌流分布が均一であることより,逆行性脳灌流法は脳保護に有効に働くことが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 齋藤 力 ほか: "逆行性脳灌流時の脳血流分布に関する検討" 脈管学. 38(8). 433-438 (1998)

  • [文献書誌] 齋藤 力 ほか: 日本心臓血管外科学会雑誌. 27(5). 263-269 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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