研究概要 |
刺激伝導系の走行が明確化されていない,多脾症候群,無脾症候群について,房室結節から左脚および右脚までの,刺激伝導系組織が,心室中隔内の,どの部分を走行しているかを三次元レベルで解明することが本研究の主たる目的である。 心標本の右心室側,左心室側の自由壁を心室中隔から切離し,三尖弁輪、膜様部心室中隔を含む心室中隔片を作成した。さらに房室結節から右脚分岐部を含む膜様部心室中隔を2〜3cmのブロックとして切離した。このブロックの6面全てを写真撮影し,パラフィン固定したあと,MIcrotomeにて1cmあたりを1000枚にスライスした。切片標本をヘマトキシリン-エオジン染色し,プレパラート上に連続切片作成し,これらの各ステップでの心標本の外観を写真撮影し,再現可能となる標本の情報を保存した。 実体顕微鏡を用いて,連続切片を解析し,刺激伝導系の位置をコンピューター上で再構築し三次元モデルの作成をしているところである。 多脾症候群症例において,延長した盲端路(dead end tract)が存在しており,その走行については現在解析中である。
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