研究概要 |
mRNAおよび蛋白レベルにおけるret proto-oncogeneの発現を、in vivoおよびin vitroについて検討した.以下にこれまでの実験の概要と結果を示す. 1.すでに報告されているマウスret proto-oncogene cDNA sequenceをもとに,1組のプライマーセット,センス鎖(283-303bp)とアンチセンス鎖(1243-1263bp),を作成した. 2.成体マウスから大脳,脊髄,胎盤を採取し,これらからIsogen法によりtotal RNAを抽出した. 3.合成プライマーと抽出したRNAから、RT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction)法によりin vivoにおけるret mRNAの発現を検討した.目的とする981bp cDNA断片の発現は,脊髄のみに観察された. 4.培養マウス神経芽細胞腫Neuro-2aから細胞総蛋白質とIsogen法によりtotal RNAを抽出した. 5.合成プライマーと抽出RNAを用いたRT-PCR法により,目的とする981bp cDNA断片を増幅し,Neuro-2aにret mRNAの発現を確認した. 6.Neuro-2aより抽出した細胞蛋白質をSDS-PAGE法にて分離し、マウスret蛋白(RET)と反応する抗体(Santa Cruz Biochemistry)を用いてWestern Blotting法を行った.本細胞中に抗RET抗体と交叉する単一の約120kDaのバンドを検出した.
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